不動産売却の税金と特例|譲渡所得税・3000万円控除を徹底解説

買取再販営業の日々

不動産を売って利益が出ると「譲渡所得税」がかかります。一方で、条件を満たせば税金を大きく減らせる特例も用意されています。知らずに売ると数百万円損することもある重要分野です。この記事で、税金の計算と主な特例を押さえ、手取り額の見通しを立てましょう。

※税制は複雑で個別事情により扱いが変わります。本記事は概要です。実際の判断は税理士や税務署にご確認ください。

この記事でわかること

  • 譲渡所得税の計算方法
  • 所有期間で変わる税率(短期・長期)
  • マイホームの3,000万円特別控除
  • 相続した空き家の3,000万円特別控除(2024年改正)

譲渡所得税の計算方法

譲渡所得税は売却価格そのものではなく、売却で得た利益(譲渡所得)にかかります。計算式は次の通りです。

譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)

  • 取得費:購入代金や購入時の仲介手数料・登記費用など。建物は減価償却分を差し引きます。取得費が不明な場合は「概算取得費=売却価格の5%」を使えますが、譲渡所得が大きくなり税負担が重くなりがちです。
  • 譲渡費用:売却時の仲介手数料、印紙税、測量費など。

この譲渡所得に税率を掛けて税額を求めます。

所有期間で変わる税率(短期・長期)

税率は不動産の所有期間で大きく変わります。

区分所有期間税率(所得税+住民税)
短期譲渡所得5年以下39.63%
長期譲渡所得5年超20.315%

注意点は、所有期間を売却した年の1月1日時点で判定することです。たとえば購入から実際は5年経っていても、1月1日時点で5年以下なら短期扱いになります。5年を超えてから売るほうが税率は大きく下がります。

マイホームの3,000万円特別控除

マイホーム(居住用財産)を売ったときに、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例です。譲渡所得が3,000万円以下なら、税額がゼロになることもあります。

  • 所有期間を問わず適用できる(短期でも可)
  • 前年・前々年に同様の特例を受けていないこと(3年に1度が原則)
  • 親子・夫婦など特別な関係者への売却でないこと
  • 適用には確定申告が必要(税額ゼロでも申告は必須)

さらに所有10年超のマイホームには軽減税率の特例があり、この3,000万円控除と併用が可能です。

相続した空き家の3,000万円特別控除【2024年改正】

相続した実家などを売る場合、一定要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。主な要件は次の通りです。

  • 1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家屋(区分所有建物=マンション等は対象外、戸建てのみ)
  • 相続開始の直前に被相続人が一人で居住していたこと(老人ホーム入所等の例外あり)
  • 相続時から譲渡時まで、事業・貸付・居住に使っていないこと
  • 売却価額が1億円以下
  • 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却

2024年(令和6年)1月1日以降の譲渡からは使いやすくなりました。従来は売主が事前に耐震改修や取り壊しを済ませる必要がありましたが、改正後は買主側が譲渡の翌年2月15日までに耐震改修または取り壊しを行う場合も対象に含まれます。誰が工事を行うかで手取りが変わるため、契約内容は慎重に決めましょう。

手取り額の考え方

売却の手取りは「売却価格 − 仲介手数料などの費用 − 税金 − 残債(ローン)」で決まります。仲介で高く売れても、税金や手数料を差し引くと、買取との差が縮まることもあります。価格だけでなく最終的な手取りで比較することが、後悔しない売却の鍵です。特例が使えるかどうかで税額は大きく変わるため、売却前に確認しておきましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 売却で利益が出なければ税金はかかりませんか?

A. 譲渡所得(利益)がなければ譲渡所得税はかかりません。ただし特例適用には申告が必要な場合があります。

Q. 取得費が分かる書類が見つかりません。

A. 概算取得費(売却価格の5%)を使えますが税負担が増えがちです。購入時の契約書や領収書を探すことをおすすめします。

Q. 3,000万円控除とローン控除(住宅ローン控除)は併用できますか?

A. マイホームの3,000万円控除と新居の住宅ローン控除は併用に制限があります。買い替えの際は事前に税理士へ確認しましょう。

まとめ

  • 譲渡所得税は「売却価格 −(取得費+譲渡費用)」の利益にかかる
  • 税率は所有5年以下で39.63%、5年超で20.315%(1月1日時点で判定)
  • マイホームは最大3,000万円特別控除(所有期間問わず・要確定申告)
  • 相続空き家も最大3,000万円控除、2024年改正で使いやすく
  • 価格でなく「手取り額」で売り方を比較する

次回(第6回)からは「判断編」。質問に答えるだけで買取・仲介の向き不向きが分かる、インタラクティブな診断チェックリストをご用意します。

「自分のケースで税金や手取りがどうなるか」も含め、無料相談を承ります。仲介・買取の両面から具体的にご案内します。

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