不動産を売ると決めたとき、最初にぶつかるのが「どうやって売るか」という問題です。実は不動産の売り方には大きく2つのルートがあります。「仲介」と「買取」です。この違いを知らずに動き出すと、「もっと高く売れたのに」「もっと早く現金化できたのに」と後悔しかねません。この記事では、2つの違いを根本から整理します。
この記事でわかること
- 「仲介」と「買取」という2つの売却ルートの仕組み
- 価格・スピード・手数料・手間という4観点での違い
- それぞれが向いている人・向いていない人
- 「どちらが得か」を考えるときの正しい視点
不動産売却の「仲介」と「買取」とは
不動産を売る方法は、突き詰めると「誰に売るか」で2つに分かれます。
仲介は、不動産会社に間に入ってもらい、物件を買ってくれる個人の買主を探してもらう方法です。会社は売主と買主をつなぐ役割で、最終的にお金を払うのは「この家に住みたい」と思った個人です。一般に「不動産を売る」とイメージするのは、こちらでしょう。
買取は、不動産会社そのものが買主になる方法です。中でも多いのが「買取再販」で、会社が物件を買い取り、リフォームやリノベーションで価値を高めてから改めて売り出します。あなたの売却相手は個人ではなく、プロの事業者です。
この「売却相手が誰か」の違いが、価格・スピード・手数料・手間のすべてに影響します。
買取と仲介の違いを4観点で比較
1. 売却価格
仲介は市場に物件を公開して幅広い買主にアプローチするため、市場価格(相場)に近い金額で売れる可能性があります。好立地・築浅なら、買主が競合して相場以上になることもあります。
一方、買取は相場より低くなるのが一般的です。買取業者が、買い取った後のリフォーム費用・販売経費・利益を見込んで価格を算出するためで、目安は相場の7割前後(1〜3割ほど低い)です。これは安く買い叩いているのではなく、「すぐ確実に買い取る」というサービスへの対価と考えると理解しやすくなります。
2. 売却までのスピード
仲介は買主が現れるまで成立しません。すぐ見つかることもあれば、半年〜1年以上かかることもあり、いつ売れるかは「縁」次第です。
買取は業者が直接買い取るため買主探しが不要で、査定から決済まで数日〜数週間で完了することも珍しくありません。「来月までに現金が必要」なら買取の安心感は大きいでしょう。
3. 仲介手数料
仲介で成立すると成功報酬として仲介手数料を支払います。法律で上限が定められ、売買価格400万円超なら「売買価格×3%+6万円(+消費税)」が上限です(例:3,000万円なら上限約105万円)。
買取では業者が直接の買主になるため、仲介手数料は原則かかりません。価格は低めでも、この差は見落とせません。
4. 手間とプライバシー
仲介は購入希望者が現れるたびに内覧対応が必要で、物件情報を広く公開するため「売りに出している」ことが周囲に知られやすくなります。
買取は内覧対応が基本不要で、物件を一般公開しないため周囲に知られず進めやすいのも特徴です。離婚や相続など事情を知られたくない場合に選ばれます。
買取と仲介の比較表
| 観点 | 仲介 | 買取 |
| 売却相手 | 個人の買主 | 不動産会社 |
| 売却価格 | 相場に近い(高め) | 相場の7割前後(低め) |
| 売却スピード | 数か月〜1年以上 | 数日〜数週間 |
| 仲介手数料 | かかる(上限あり) | 原則かからない |
| 内覧対応 | 必要 | 原則不要 |
| プライバシー | 公開される | 知られにくい |
| 向くケース | 高く売りたい・時間に余裕 | 早く確実に・手間を避けたい |
「買取と仲介どっちが得か」は人によって違う
「結局どちらがいいの?」の答えは、あなたが何を一番大切にするかで変わります。
「少しでも高く売りたい。時間はかかってもいい」なら仲介、「多少安くても早く確実に・手間なく売りたい」なら買取が向きます。価格とスピード・手間は基本的にトレードオフの関係です。どちらかが絶対的に優れているわけではなく、同じ物件でも売る人の事情で最適解は変わります。
私たちが「両方」を扱う理由
当社は仲介と買取の両方を手がけています。片方しか扱わない会社は自社が対応できる方法へ誘導しがちですが、両方を扱っていれば「時間に余裕があるから仲介で高値を狙う」「急いでいるから買取で確実に」と、お客様の事情に合わせてフラットに提案できます。
よくある質問(FAQ)
Q. 買取と仲介、初心者にはどちらがおすすめですか?
A. 一概には言えません。価格を優先するなら仲介、スピードと手間の少なさを優先するなら買取です。まずは無料査定で両方の見込み額を比べるのがおすすめです。
Q. 買取は本当に損なのでしょうか?
A. 価格は低めですが、仲介手数料が不要・早期現金化・内覧不要・売却後の責任免除といった価値が含まれます。詳しくは第2回で解説します。
Q. 仲介から買取に切り替えることはできますか?
A. できます。仲介で一定期間売れなかった場合に買取へ切り替える「買取保証」を用意する会社もあります。
まとめ
- 不動産売却には「仲介」と「買取」の2ルートがある
- 仲介は高く売れる可能性がある反面、時間と手間がかかる
- 買取は価格が低めになる反面、早く・確実に・手間なく売れる
- どちらが得かは「価格・スピード・手間のどれを優先するか」で決まる
- 迷ったら両方を扱う会社に相談すると中立的な提案を受けやすい
次回(第2回)は買取の中心「買取再販」の仕組みを掘り下げ、「なぜ業者は安く買って高く売れるのか」を誠実に解説します。
ご自身の物件が「仲介向き」か「買取向き」か気になる方は、無料査定をご利用ください。両方の視点から最適な売り方をご提案します。
